🍐 花梨(かりん)とは
皆さんは、「花梨(かりん)」という果物をご存知でしょうか。花梨は、晩秋から冬にかけて実をつける香りの良い果物です。
かりんシロップやはちみつ漬けは、私の祖母の世代では、喉の痛みによく効く冬の手作り家庭療法として知られていました。
以前、梅についても投稿しましたが、花梨もまた、とても硬く、生では食べられないにも関わらず、ジャム、マーマレード、蜂蜜漬け、果実酒など、加工することで豊かな香りと味わいが引き立つ不思議な果実の一つです。
かりんもまた、梅と同じくバラ科の果樹で、見た目の似た枇杷や杏子の他、見た目からは想像もつかないリンゴ、ナシ、モモ、スモモ、さくらんぼ、イチゴ、キイチゴも、またバラ科の果物です。
🍐 Encountering “Western Quince” in America
アメリカで出会った“西洋の花梨”
ある日、Facebook Marketplace で偶然、「花梨っぽいフルーツの無料ピックアップ」を見つけました。
実際に和訳してみると、それは日本の花梨とは少し違う、西洋種のクインス(quince)でした。日本の花梨(Pseudocydonia sinensis)とは生物学的にも異なりますが、ジャムやタタンにして加工して食べれる点では共通しています。
私は普段、ブルーベリーやラズベリー以外のジャムはほとんど食べないのですが、前回作った梅ジャムが驚くほど美味しく、西洋のかりんで作ったジャムはどのような味なのか、とても興味がわき、早速売主さんに連絡し、分けていただけることになりました。
とても気さくな素敵な方で、つい話し込んでしまいました。彼女によると、なんと世界中色々な出身の方が連絡してきたとのこと。
何を作るのか聞かれたので、喉の痛みに聞くシロップ漬け(アルコール入り笑)か、ジャムだと答えると、中東地域にも同じように花梨を蜂蜜漬けにして薬用に使う文化があり、先日中東出身の方にもお分けしたとのこと。
アジアだけでなく世界各地で似た利用法が見られるなんて、興味深いです。
🍯 The Quince Jam

さてさて、肝心の花梨ジャムは、マーマレードのような美味しさでした。
香りは、ほのかに残っていて、皮の硬さが良いアクセントとして普通のジャムよりも上品なマーマレードのように仕上がりました。
トーストに塗るだけでなく、紅茶にいれても美味しいかも?と思ってストロベリーティーにいれたら、少し酸味が加わってとても美味しかったです。
🍐 花梨ジャム(かりんジャム)の基本レシピ
■ 材料
* 花梨(かりん)……(約600~800g)
* 砂糖………………花梨の重さの40~60%
* レモン汁…………大さじ1~2(好みで調整)
■ 下準備
1. 花梨をよく洗い、皮をむかずに熱湯に30分漬けておく
2. 種と芯を取り除く(種の周りのペクチンでジャムのように固まる部分なので大事)。
3. 実の部分を薄切り、または小さめの角切りにする。
4. 切った花梨を変色防止のため、塩水を張ったボウルに入れておく。
■ ジャム作り
1. 塩水から取り出した花梨の実の重さを量る。
2. その 40~60%の砂糖 を加える。
3. レモン汁を加える。
4. 弱~中火でコトコト煮詰める(20~40分)。
※アクが出たら丁寧に取る。
※焦げやすいので時々混ぜる。
5. とろみと透明感のある琥珀色になれば完成。
■ 保存
* 熱いうちに煮沸消毒した瓶に詰め、逆さまにして冷ます。
* 冷暗所で保存:2~3ヶ月
* 開封後は冷蔵庫で1~2週間が目安
🍶 花梨酒作り

私は 家にあったラム酒を使って花梨酒を仕込むことにしました。
日本では自家製酒といえばホワイトリカーが一般的ですが、今回は前回の梅酒作りで残っていた氷砂糖と、手元にあったラム酒で代用しました。この際、冷凍してあった梅も使ってしまうことにしました。
ラム酒を使うことで、花梨の香りにさらに深みとまろやかさが加わるとのことで、半年後にどんな味になるのか今からとても楽しみです。
クリスマスに間に合わないのが残念!
🍐花梨酒(かりん酒)の作り方
■ 材料
花梨(かりん)… 1kg
氷砂糖 … 500~800g(好みの甘さで調整)
お好きな洋酒(35%程度) … 1.8L
保存用ガラス瓶 … 4Lサイズ・熱湯消毒済み
■ 下準備
1. 花梨をよく洗い、水気を完全に拭き取ります。
2. 皮ごと1cm幅の薄切りにします。
3. 傷んでいる部分があれば必ず取り除きます。
■ 漬け込み
1. 瓶に 花梨 → 氷砂糖 → 花梨 の順に重ねるように詰めます。
2. 洋酒を静かに注ぎ、花梨全体が浸かるようにします。
3. 蓋をしっかり閉め、冷暗所で保存します。
■ 熟成
3ヶ月~6ヶ月:香りが立ち始めて飲めるようになります。
6ヶ月~1年:まろやかな深みが出てベスト
🌱花梨の種まき
花梨酒を造る時に、かなり傷んでいる部分を取り除かないといけなくて、たくさん花梨の種が出てきました。そこで花梨の種も保存して、春に植えてみることにしました。
たくさん出てきた種を丁寧に洗い、2-3日乾燥させました。
調べてみると、
・種は“寒さ”が好き
・冷蔵庫で4~6週間の“寒さの処理”をしてから植えると発芽しやすい
とのこと。
私は3月になったら土に植える予定で、
今は種を冷蔵庫でじっくりと休ませています。
庭にはこれまでにも色々植えてきましたが、
リスやウサギに掘り返されたり、せっかく育ってきた芽を主人の芝刈り機で刈られてしまったりと、なかなか「何が生き残っているのか」分からない状態です(笑)
それでも、もしかしたら7年後に花梨の木が育つかもしれない!
そんな小さな夢を抱きながら、花梨の種を植えることができる春を楽しみにしています。
とても良い冬の手仕事になった週末でした。
📚 参考リンク
1. Wikipedia – カリン(バラ科)
[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%B3_(%E3%83%90%E3%83%A9%E7%A7%91)](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%B3_%28%E3%83%90%E3%83%A9%E7%A7%91%29)
2. Specialty Produce – Wild Japanese Quince
[https://specialtyproduce.com/produce/Wild_Japanese_Quince_22102.php](https://specialtyproduce.com/produce/Wild_Japanese_Quince_22102.php)
3. マイナビ農業 – カリンとは?特徴・食べ方
[https://agri.mynavi.jp/2020_05_10_118320/](https://agri.mynavi.jp/2020_05_10_118320/)
4. 熊本大学 薬用植物データベース – カリン
[https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/003356.php](https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/003356.php)
5. 海外ブログ “The Japanese quince, a forgotten fruit?”
[https://despitethesnow.wordpress.com/2023/12/02/the-japanese-quince-a-forgotten-fruit/](https://despitethesnow.wordpress.com/2023/12/02/the-japanese-quince-a-forgotten-fruit/)
