アメリカで出会った青梅

最近、アメリカで日本の青梅によく似た青梅を手に入れる機会がありました。

ちょうど日本では紫陽花が見頃を迎える季節で、SNSには色とりどりの紫陽花の写真が並んでいます。同時に、日本では青梅を使った梅酒や梅ジュース作りが盛んに行われる時期でもあります。

ここアメリカ、特に中西部では、青梅を見かけることはほとんどありません。今回手に入れたのはおそらく韓国産の青梅で、日本のものよりやや細長い形をしていました。味にどんな違いがあるのか気になって、試してみることにしました。

しかし、青梅の下処理は想像以上に大変でした。アク抜きに加え、黒ずんだ部分を一つひとつ楊枝で丁寧に取り除く作業は、まるで夢に出てきそうなほど面倒なものでした。

私の祖母は、手作りのものもお酒も大好きな人で、梅酒や果実酒、梅ジュースをよく作っていました。まるで“うわばみ”のようにお酒に強く、お酒の飲めない家族の男性たちは、味見をしながら楽しそうに漬けている祖母を羨ましそうに眺めていたものです。

子どもの頃の私は、あの青い梅がどうして甘酸っぱいジュースになったり、赤くてしょっぱい梅干しになったり、お酒に変わるのかが不思議で仕方ありませんでした。

今回手に入った青梅の量は多くなかったので、梅ジャムと梅シロップを使った梅ジュース、そして庭で育てた青じそを加えた青じそジュースを作ってみました。中でも青じそ梅ジュースは思いのほか美味しくて、いつも野菜を分けてくださるご近所さんや友人たちにおすそ分けしました。

梅ジャムは、想像していたよりも梅というより杏(あんず)のようなさっぱりした味わいで、クリームチーズと混ぜても美味しいのでは?と思っています。せっかく手間をかけて作った梅ジャムやジュースも、気づけばあっという間になくなってしまいました。

ジュースの底に残ったしわしわの梅は、外はやわらかく中はポリポリとした食感で、ついついそのまま全部食べてしまいました。本当は残った分をジャムにしようと思っていたのですが、食感が面白くてつい手が止まりませんでした。

ちなみに、こうした残った梅は食べなくても、お魚の煮付けに入れると臭みがとれて風味が増すのでおすすめです。祖母もよく料理に使っていました。

私は田舎育ちで、家の庭にはたくさんの果樹や野菜がありました。中でも、枇杷(びわ)の木は祖父にとって特別な存在でした。幼い頃、私が食べた枇杷の種を庭に植えたところ、それが立派な木に育ち、毎年実をつけるようになったのです。祖父は、「お前が植えた種からこんなに大きくなったんだよ」と言って、脚立を使って実を収穫してくれました。

当時の私は、そんな苦労も知らず、「お店で買えばいいのに」「暑いし危ないのに…」なんて思いながら、ありがたみも感じずに実を食べていたのを覚えています。

けれど今では、食べ終わったアボカドの種を植えてもリスに食べられたり、冬越しに失敗したり… 命あるものを一から育てることの難しさや尊さを、身をもって感じています。

そんな思いもあり、今回手に入れた青梅のいくつかを割って、中の種を植えてみることにしました。5年後か10年後か… 実がなってくれたら嬉しいなという思いで、気長に見守ろうと思っています。ただ、我が家の庭にいるリスやウサギたちが、もう食べてしまっているかもしれません(笑)。

もしみなさんも青梅を見かける機会があれば、ぜひ一度、梅ジュース作りに挑戦してみてください。思いがけない発見や、昔の記憶がふとよみがえるかもしれません。