アースデイファッションショー

NPOとしての2年目

2026年4月26日、セントルイスのフォレストパーク、ザ・ミューニー前のステージにて開催されたアースデイ・フェスティバルのファッションショーに、今年も参加させていただくことができました。

JIOSTLを立ち上げて、無事2年目を迎えました。

小さな、とても小さな団体で、運営のほとんどを一人で担っているのが現状です。それでも、信頼できる友人、ボードメンバー、家族の支えもあり、活動を継続することができています。

今回のアースフェスティバルも、素敵な友人たちのおかげで、楽しく参加させていただくことができました。このような機会を通じて、少しずつではありますが、活動に共感し、支えてくださる方が増えてきていることをとてもありがたく思っています。

そして今年、セントルイス初のアジアンフェスティバルが、2026年5月24日にセントピーターズにて開催されることになり、そちらで着物ファッションショーを実現するところまで来ることができました。

何よりありがたいのが、モデルとして参加してくださる方々が、自ら手を挙げてくださったことです。着物を着る経験そのものに価値を感じ、ボランティアとして関わってくださる皆様の存在に、心から感謝しています。

もしこの投稿を読んでくださっている方の中で、
「着物のモデルをやってみたい」
「私も手伝ってみてもいいかも」
そう思ってくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡いただけましたら幸いです。

アースデイのテーマと私のデザイン

本作品は、言語や文化、宗教の違いを越え、私たちが同じ地球、いわば宇宙船地球号の一員として生きているという前提に立ち、現在直面している地球温暖化やマイクロプラスチック問題といった課題を背景に制作しています。

これらの問題にどのように向き合い、どのように取り組んでいくのかは、私たちすべてが共に考え、向き合うべき問いであると感じています。

今回のアースデイのテーマは「Earth vs Plastic(アース vs プラスチック)」でした。
そして、ファッションショー全体では「6R」というテーマが掲げられました。

6Rとは、

* Reduce(リデュース)
* Reuse(リユース)
* Repair(リペア)
* Rethink(リシンク)
* Refuse(リフューズ)
* Recycle(リサイクル)

という6つの行動指針から成り立っています。

その中で、私の担当したデザインでは、モデルであるSofiaのデザインに「Refuse(リフューズ)」、Kaylawhoのデザインに「Repair(リペア)」という二つのテーマが割り当てられました。

私は、「Earth vs Plastic」というテーマは、単なる素材としてのプラスチックだけでなく、自然と人間によって作り替えられた世界との対立という意味も内包していると解釈し、制作することにしました。

制作プロセス

本作品は、私の活動の軸でもある日本文化、そして究極のサステナブルファッションとも言われる着物文化を基盤として制作しています。

着物というのは、世代を超えて受け継がれるだけでなく、一枚の反物から仕立てられ、必要に応じて解き、洗い、仕立て直しを行いながら長く使われていく衣服です。成長や体型の変化に応じて寸法を変えることができ、着る人が変わってもなお、新たな形で使い続けることができます。

さらに、役目を終えた後も、別の衣服や小物へと作り替えられたり、布として再利用されるなど、用途を変えながら循環していく特徴を持っています。

このような着物の文化は、まさに6Rの考え方そのものと重なります。無駄を減らす「Reduce」、繰り返し使う「Reuse」、修復して使い続ける「Repair」、使い方そのものを見直す「Rethink」、不要なものを持たない「Refuse」、そして新たな形へと再生する「Recycle」。究極のエコファッションといわれる所以なのです。

Sofiaのデザイン ―「Refuse(拒絶)」

私たちがプラスチックをリフューズ(拒絶)するのはもちろんのこと、私は地球そのものが人間に対して、人間を拒絶しているのではないかというもう一つの解釈を重ねてデザインしています。

現代社会において、人間は当然のように資源を消費し続け、環境を破壊し続けてきました。その結果として地球温暖化が進み、地球そのものが怒り、私たち人間を拒絶し始めているのではないかという思いを、このデザインを通して表現しています。

モチーフとして用いたのは、日本の神話や伝承に登場する「羽衣天女」です。

京丹後に伝わる羽衣伝説や「鶴の恩返し」において、天女や鶴は人間に機織りや豊かさを与える存在として描かれてきました。しかしそれは、人間がその関係を裏切らなかった場合に限られます。

トップスは、日本の着物をベースにしながら、私の好きな最後のジェダイのような要素を取り入れたアレンジを加えています。さらに、羽衣をまとわせることで、裁く存在として表現しています。見た目は異なりますが、『もののけ姫』のサンのような存在にも通じるかもしれません。

自然は、優雅で美しいだけではなく、また恵みだけでなく、拒絶する力も持っています。その美しさと厳しさの両面を、このデザインに込めました。

ベルトには黒のへこ帯を使用し、強さと威厳を表現しています。このへこ帯は四つ葉のクローバーの形に結んでおり、私の好きなアニメ『ブラッククローバー』にちなんだイースターエッグ的要素も含めています。

Kaylawhoのデザイン ―「Repair(修復)」

ここでのリペアとは、もちろん環境問題における修復だけを示すものではありません。

自分にとって本当に大切なものとそうでないものを見極め、境界線を引き、必要なものを選び直していく、そうした修復的な行為をも意味するのではないかと解釈し、制作しました。

そして、自分にとって大切なものを自らの意思で作り直していくプロセス、その強さをこのデザインに込めました。

この考え方を、「Earth vs Plastic」における“Plastic”という言葉のもう一つの意味、すなわち可塑性に重ねました。


私たち人間は、外部や関わる人々、育った環境によって、その行動や意見が大きく影響を受けやすい存在です。

特に、相手を思いやる優しさを持つ人ほど、自分の意思を後回しにしてしまい、「NO」と言えなくなり、結果的に傷ついてしまうこともあります。

しかし、私たち自身が自分の意思をしっかりと持ち、有害な関係を取り除くとき、再び自分を取り戻すことができるのではないでしょうか。

現在起きている環境問題においても、同じことが言えるのではないかと感じています。


私たち人間の選択によって、一度傷ついてしまった地球をもう一度整え、守り直していくことができるのではないかと考えています。

そうした思いを、このデザインに込めました。


その思いを、具体的な形として表現したのが今回のデザインです。

全体の色は黒を基調とし、安定や強さ、そして揺るがない意志を視覚的に表し、ノンプラスチックと言える確かな意志と自ら選び取る力を表現しています。

トップスには日本の羽織を取り入れ、本来は男女問わず着用されてきた衣服でありながら、全体のシルエットとしては女性らしいしなやかさを感じさせるラインに仕上げています。

また、羽織の縁にはアメリカのワンダーウーマンをイメージしたパターンを施しました。


強さだけではなく、心に優しさを持ちながら他者を守る存在、そして地球のガーディアンとしてのイメージを重ねています。

コルセットは、背筋を正し、自分自身の軸をしっかりと保つための構造を象徴しています。

全体に取り入れている赤は、フェニックスのモチーフと重ねています。

それはモデルのあだ名がフェニックスであると知ってから、このデザインが大きく広がったためです。

フェニックスという存在は、一度灰となってから再び蘇る象徴です。
それは単なる復活ではなく、壊れることを前提とした再生を意味しています。

日本の鳳凰が平和や永遠の象徴として現れる存在であるのに対し、フェニックスは破壊と再生を繰り返す存在であるという違いは、とても興味深いものだと感じました。

当初はノープラスチックというテーマから、プラスチックをリサイクルするデザインを取り入れたいと考えました。
テイクアウトでよく使われるタッパーの蓋を用いて、フェニックスの尾を制作してみました。

さらに、その蓋と端切れを組み合わせ、コースターとしても使える形に発展させる試みも行いました。

しかし、いざ制作して袴に取り付けてみると、全体のデザインとの調和がうまくいきませんでした。
そのため、この案は没案とし、記録として写真に残すだけにしました。

背面には、これまで集めてきた端切れをつなぎ合わせることで、「リペア」というテーマを視覚的に表現しています。
また、彼女の写真をもとに私が顔をスケッチとして起こし、断片的な経験や選択を重ね合わせることで、人生の再構築を表現しています。

さらに、この肖像を含むパッチワークは、あえて完全に縫い付けるのではなく、安全ピンで留めています。
安全ピンを用いることで、リペアが現在進行形であり、これからも変化し続ける流動的な存在であることを示しています。

ボトムスは袴パンツをベースにしています。
その上にアシンメトリーで流れるようなスカートを重ね、前(パンツ)と後ろ(スカート)で異なるデザインに見える構成にしました。

さらに背面にはフェニックスの尾のように広がるフォルムを取り入れ、日本の九尾の狐のイメージも重ねています。
九本の尾にも見える構成とすることで、多層的で変容し続ける人間の姿を表現しています。

結びにかえて

次回は、2026年5月24日にセントピーターズで開催されるアジアンフェスティバルです。

今回とは異なり、次のファッションショーは着物ばかりの正統派のスタイルになります。
今回とはまったくタイプの違うファッションショーになる予定です。

どの着物にするか、縫うものも多いので今からとても迷っていますが、楽しみです。
まずは、5月2日の着物ミートアップで、また多くの方にお会いできることを楽しみにしています。